中小企業倒産防止共済の掛金引き上げの施行日は政令委任になっていましたが、ようやく9月16日この政令が公布され、10月1日施行と定まりました。
この政令の基となる法律「中小企業倒産防止共済法の一部を改正する法律」は平成22年4月14日の成立です。鳩山内閣のときです。それから1年半、菅内閣を経て野田内閣まで、随分待たされました。
◆改正法施行の内容
改正新法により、毎月20万円以内の掛金を、総額が800万円になるまで積み立てることができます。また加入者は、取引先が倒産した場合に、積み立て掛金総額の10倍の範囲内(最高8千万円まで)で回収困難な売掛債権等の額以内の貸し付けを受けることができます。
◆毎年240万円の損金算入積立金
この共済掛金は掛け捨てではありません。それなのに、全額損金(必要経費)になります。1年分前払いの場合には短期前払費用の損金算入の適用もあります。
得意先倒産リスク管理用積立性保険に加入することを兼ねて、純粋に節税商品としてこれを利用することは可能です。
◆知っておくとよいこと
解約は自由です。ただし無利息です。40ヶ月以上積み立てれば100%戻ります。40ヶ月以内の解約は損をします。
共済掛金積立額の10倍までの貸し付けを受けても、無利息となっていますが、共済貸付金の10分の1の掛金が没収となるので、全体で10%の利息となります。最長期間7年で返済するとなると、年利2.857%に相当します。
◆申告に際しての留意点
掛金の損金(必要経費)算入の適用要件として、明細書の添付が要求されています。法人税の場合は別表十(九)が用意されています。
また、任意解約による積立金の返還金は益金(収入金額)となるので、解約のタイミングも留意事項と言えます。
◆小規模共済・中退金の施行は?
なお、同時期に改正された、小規模企業共済への加入者枠拡大、中小企業退職金共済への加入者枠拡大については平成23年1月より施行されています。
参考:中小機構「倒産防止共済」
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助成金2011年03月02日(水)
地域再生中小企業創業助成金のご紹介です。
雇用情勢がよくない地域で新たに創業する場合に、創業経費の一部を助成する制度です。
助成内容(第2種の場合)は、
①創業後6カ月以内に支払った創業経費の1/3(雇用5人以上→上限500万円、5人未満→上限300万円)
②雇入れに対する助成雇入れ労働者1人当たり30万円(上限100人まで)
創業経費・・・設立開業費用、従業員の教育訓練費、事務所工事費・賃貸料、設備備品、広告宣伝費など(設備備品などをリースや割賦購入した場合は、6か月以内に支払った金額)
対象地域は、21道県(特に厳しい雇用情勢の地域は第1種、雇用情勢があまりよくない地域は第2種:山形県は第2種)です。
対象業種は、
1.食料品製造業
2.情報サービス業
3.社会保険・社会福祉・介護事業
4.飲食料品小売業
5.その他の小売業
6.飲食店
要件は、
1.山形県において創業する(した)中小企業事業主である
2.雇用保険の適用事業主である
3.開業から6か月経過する日までに事業計画の認定申請を行っている
4.重点分野(地域再生分野)に該当する事業を行っている
5.支給申請日に創業・雇入支援労働者を1人以上現に雇用している
詳しくはこちら↓
http://www.pref.yamagata.jp/ou/seikatsukankyo/110009/koyotaisaku/chiikisaisei-sogyo-joseikin/sogyo-joseikin.pdf(山形県HP:厚生労働省リーフレットより)
助成金は、返済不要のお金です。これだけの金額を稼ぐのにどれだけ売上げなければならないでしょうか、考えてみてください。
この制度は、平成23年6月1日より業種、支給額ともに縮小する予定になっております。会社設立や開業を考えている方はお早めにどうぞ。
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会社設立①2010年10月15日(金)
会社設立について、シリーズで投稿していきます。
第1回目は個人開業か会社設立かです。
起業をお考えの方は、非常に悩むところだと思います。
それぞれのメリット、デメリットを把握し、ご参考にしてください。
個人事業のメリット
①設立手続き・費用は不要
②事務手続きが簡易
③事業資金を個人的に融通しやすい
④事業の変更なども自由
個人事業のデメリット
①対外的な信用が低い
②資金が集めにくい
③事業の全責任を負う (無限責任)
④交際費や福利厚生費は家計との明確な区別が要求される
会社設立のメリット
①出資者は有限責任でよい
②一般的に社会的信用は高くなる
③大企業や自治体との取引が有利になる
④法人税の税率が30%である(中小法人は800万円まで18%)
⑤個人の生活費と事業資金が明確に区別できるので、公私混同を防ぐことができる
会社設立のデメリット
①会社を設立するには手続きが必要となる
②会社法等、法的規制が厳しい
③事業内容の変更には手続きが必要となる
④事務手続きが複雑である
上記は、一部の例です。詳しくは、兼子和伴税理士事務所のホームページに記載しておりますので、下記URLをご参照ください。
会社設立か個人事業か
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