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在職老齢年金改革案2012年01月27日(金)

 ◆60歳以上の給与と年金制度
 働きながら年金を受給する在職老齢年金は現在60歳から64歳の会社員は月給と年金の合計が月28万円を超えると年金が減額する仕組みとなっています。先ごろ厚労省はこの制度の見直し案を発表しました。現行制度では60歳から64歳の場合、月給+年間賞与の12分の1の合計額が28万円を超えると超えた額の2分の1が年金より減額されます。65歳以上はこのラインが46万円を超えた時に減額されます。



◆制度改革の見直し案は?
 この減額が高齢者の働く意欲を妨げているとの考えから見直し案では次の案が出されています。その案は60歳代前半の人の減額する基準額を
①65歳と同じ46万円に引き上げる。
②60歳代の給与の平均額33万円に引き上げる。
③60歳代前半は年金の調整を廃止する。
 以上の3つの案は年金の減額幅を縮小する為、働く高齢者の年金が増え、勤労意欲が向上し、60歳以上も働き続ける人が増えるという見方があります。
 一方で現在は60歳から64歳の方の約120万人がこの制度で年間約1兆円が減額されていると言います。ですから調整廃止や縮小をすれば労使とも負担が増える事は必至となり、反発が予想されます。
 また、在職老齢年金は事業主への賃金補助的機能を果たしている面もあり、労働時間の調整等で年金を減額されずに働いているケースが多いのも現状です。この場合はむしろ高齢者の労働需要を増やしている側面もあります。


◆支給開始年齢の引き上げも検討
 厚労省は長寿で年金の受取期間が長くなっているため財政の悪化を防ぐために年金の支給開始年齢の引き上げも検討しています。1歳の引き上げで国の負担は年0.5兆減るとみています。但し年金受給者の多い団塊の世代への影響はなく、引き上げ案のうち最も早い時期の案を採っても平成24年の実施で、現在53歳以下の方の開始年齢が遅れる案となっています。若年世代に痛みが集中する形となり、引き上げも難しい状況で実施までには紆余曲折がありそうです。

 

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ふるさと納税2012年01月23日(月)

  『バガボンド』『スラムダンク』などの作者として知られる漫画家の井上雄彦さんが、鹿児島県への「ふるさと納税」により、国から紺綬褒章を受章しました。
 政府が授与を決める褒章の種類には、紅綬褒章、緑綬褒章、黄綬褒章、紫綬褒章、藍綬褒章、そして紺綬褒章があります。紺綬褒章は「公益のため私財を寄付し功績顕著なる者」に与えられる栄典です。公的機関や公的法人に対して、個人で500万円(団体の場合は1000万円)以上の寄付を行った人が推薦を受け、国による審査のうえで授与されるものです。

 井上さんは鹿児島県の大口市(現在の伊佐市)出身。2008~10年度に、県が募集する「かごしま応援寄付金」として寄付を行いました。このうち、2010年に行った寄付が要件に該当しました。井上さんは2008年の寄付の際「子供時代を鹿児島で過ごしたことが自分の土台を作るうえでとても良かったといつも思っています。鹿児島県に納税をすることで、そのお金が鹿児島のためになるよういかしていただけるなら幸いです」とメッセージを寄せています。

 2008年にスタートした「ふるさと納税」は、そのネーミングから納税先を自分で選べる制度といった印象を受けますが、制度上は寄附控除の大幅な拡充です。納税ではなく寄付のため、褒章の対象にもなるというわけです。地方自治体への寄附金のうち2千円を超える金額が、所得税では所得控除、個人住民税では税額控除されます。税額控除の計算式は、2千円の自己負担額をのぞき寄付金がほぼ全額返ってくるよう設計されているため、実質的に納税先を選択した形となります。

 ただし、控除額には上限があります。個人住民税の特例控除額の上限は、個人住民税所得割額の10%。所得割の税率は一律10%のため、上限は課税所得の1%です。紺綬褒章の要件にあたる500万円を寄付した場合、所得税の税率を40%とすると所得税額のマイナスは約200万円、個人住民税の基本控除は約50万円のため、約250万円を特例控除できれば、自己負担額を除くほぼ全額の控除を受けられることになります。課税所得の1%が250万円ということは、つまり寄付者に概ね2億5千万円を超える所得があればほぼ全額が返ってくることになります。

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カテゴリー:税務
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民間給与実態と景況2012年01月13日(金)

◆給与所得者の総数と給与総額の回復
 昨年9月16日国税庁公表の2010年分給与実態統計データによると、民間給与所得者数は、5,415 万人(公務員を含めた総数は約5,800万人)で、前年より27万人(0.5%)増加しています。給与総額は194兆3,722 億円で、前年より1兆8,980億円(1.0%)増加しています。



◆平均給与の回復の実態
 民間給与所得者の平均給与は、412万円で、前年より6万1千円(1.5%)増加しています。3年ぶりの増加ですが、前年の09年分の下落幅23万7千円(5.5%減)は1949年の同統計開始以来最大だったので、2010年分の412万円は増加に転じはしたものの、ここ10年では09年分に続く2番目に低い金額です。


◆源泉所得税にみえる下半期回復の様相
 民間給与に係る源泉徴収所得税額は7 兆5,009億円で、前年より697億円(0.9%)減でした。
 この10月11日国税庁公表の法人申告事績報告は半年遅いデータなのですが、給与所得に係る源泉所得税の税収は8 兆6,389億円で、前年より687億円(0.8%)増でした。2011年に入ってから減が増に急転しているようです。
 景気回復の足取りがしり上がり基調になっているように見受けられます。


◆業種別平均給与
 業種別にみると、最も高いのは電気・ガス・熱供給・水道業の696 万円(前年630万円、前々年675万円)、次いで金融・保険業の589 万円(前年625万円、前々年649万円)となっており、最も低いのは宿泊業,飲食サービス業の247 万円(前年241万円、前々年250万円)です。
 東電をはじめとする、原価プラス利益で販売価格を定める、電気・ガス・水道など公営的非競争独占企業の平均給与がダントツに高く、伸び(対前年66万円増)も大きく、新規参入しやすい飲食サービス業の年額で3倍近く、伸び(対前年6万円増)で11倍にもなっています。
 法律によって守られ、景気変動に左右されない企業が過剰に保護されている印象があります。

 

 

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カテゴリー:一般
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売上代金と印紙税 金銭等の受取書2012年01月12日(木)

 印紙税は一定の文書(課税文書)を作成した場合に課される税金です。通常、定められた収入印紙を文書に貼り付け、これに消印をして納付します。
 印紙税が課される文書で一番多いのは、売上代金に係る金銭等の受取書(領収書)です。この領収書に係る印紙税は、階級定額税率(領収書額の多寡によって印紙税を段階的に区分)と呼ばれ200円から20万円までの14段階の税額を定めています。

 

◆領収書と消費税
 通常、売上代金を領収する場合は、消費税額を含んだ金額を受領します。そこで、領収書を作成するにあたって、領収金額そのままを記載するか、それとも、消費税額を別記又は明示するかによって、印紙税の額は異なってくる場合があります。
 例えば、領収書の金額30,450円(内消費税額1,450円)と記載してあれば、領収金額3万円未満であるため印紙税は課かりません。このように、領収書に消費税を別記又は明示すれば、消費税額を除いた領収金額で課される印紙税額を判定します。但し、これは、消費税の課税事業者のみに適用され、免税事業者には適用されません。
 なお、この消費税に関する取扱いは、不動産の譲渡等に関する契約書、また、請負に関する契約書にも適用されます。



◆売掛金と買掛金の相殺に関する領収書
 売掛金と買掛金を相殺する場合にも、領収書が交付される場合がありますが、印紙税法でいう受取書といのは、金銭等の受領事実を証明する目的で作成するものをいいますので、相殺による場合のように金銭の授受が伴わないもので、領収書にその旨(相殺を示す文言)が明記されているものはたとえ、領収書の名称を用いて文書が作成されている場合であっても、印紙税は課税対象外、つまり課税される文書とはなりません。

 

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カテゴリー:税務
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各国の相続税の潮流2012年01月06日(金)

 平成23年度税制改正法案の目玉であった相続税の増税案(基礎控除の引下げ、税率構造の見直し等)は、分離され、継続審議中でしたが、結局、今改正案から削除、年末に取りまとめられる抜本改革の中で議論されることになり、先送が確実となりました。

◆相続税の課税方式
 相続税のある国では、相続税の課税方式は、遺産課税方式と取得者課税方式に大別されます。
 遺産課税方式は、被相続人の遺産そのものに課税する方式で、米国、英国等が採用しています。その特徴は、遺産の処理及び納税等には関しては、相続人が関係しないで遺産管理人があたる点です。
 一方、取得者課税方式は、被相続人の遺産を取得した相続人等が納税義務者になる方式で、フランス、ドイツ等が採用しています。その特徴は、相続人等で遺産を分割し、相続人等が取得した遺産に担税力を見出して課税する点にあります。
 なお、遺産課税方式を採用している国の贈与税は、贈与者が納税義務者となり、一方、取得者課税方式では受贈者が納税義務を負います。
 我が国は、取得者課税方式の変型である法定相続分課税方式を採用、お隣の韓国は、遺産課税方式の変型を採用しています。各国は、遺産課税と取得者課税を基本形としながら、それぞれの国の実情にあった相続税の課税方式を採用しているようです。

◆多くの国が相続税廃止の方向か
 相続税(国税としての相続税)は、多くの国でゼロ又は廃止に向かっているようです。アジアでは、香港はもちろんのことシンガポール、マカオ、ニュージーランド、オーストラリア、タイ、マレーシア、インドネシア等です。隣国の中国ですが、相続税法はありますが相続税はありません。
 欧米諸国ですが、スウェーデン、スロバキア、ポルトガル、スイス、オーストリア、イタリア、カナダ、ロシア等です。
 なお、カナダでは、財産移転時には所得税を課しています。

◆今後の相続税制の在り方(立法政策)
 世界各国は、いかに富裕層を自国に取り込むか、まさに富裕層獲得のための租税戦略として相続税制を考えているようです。
 我が国においても、財産に占める土地の割合が減少傾向にある昨今、富裕層がいつまでの自国に留まってくれる保証はありません。

 

 

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