印紙税は一定の文書(課税文書)を作成した場合に課される税金です。通常、定められた収入印紙を文書に貼り付け、これに消印をして納付します。
印紙税が課される文書で一番多いのは、売上代金に係る金銭等の受取書(領収書)です。この領収書に係る印紙税は、階級定額税率(領収書額の多寡によって印紙税を段階的に区分)と呼ばれ200円から20万円までの14段階の税額を定めています。
◆領収書と消費税
通常、売上代金を領収する場合は、消費税額を含んだ金額を受領します。そこで、領収書を作成するにあたって、領収金額そのままを記載するか、それとも、消費税額を別記又は明示するかによって、印紙税の額は異なってくる場合があります。
例えば、領収書の金額30,450円(内消費税額1,450円)と記載してあれば、領収金額3万円未満であるため印紙税は課かりません。このように、領収書に消費税を別記又は明示すれば、消費税額を除いた領収金額で課される印紙税額を判定します。但し、これは、消費税の課税事業者のみに適用され、免税事業者には適用されません。
なお、この消費税に関する取扱いは、不動産の譲渡等に関する契約書、また、請負に関する契約書にも適用されます。
◆売掛金と買掛金の相殺に関する領収書
売掛金と買掛金を相殺する場合にも、領収書が交付される場合がありますが、印紙税法でいう受取書といのは、金銭等の受領事実を証明する目的で作成するものをいいますので、相殺による場合のように金銭の授受が伴わないもので、領収書にその旨(相殺を示す文言)が明記されているものはたとえ、領収書の名称を用いて文書が作成されている場合であっても、印紙税は課税対象外、つまり課税される文書とはなりません。
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◆不動産売買時の固定資産税の精算
不動産の売買において、その売却日をもって売主と買主でその年の固定資産税を精算することが一般的になっています。通常の不動産の売買契約書の雛形においても、「1月1日から売却日までを売主、以後の分を買主の負担として精算する」との文言が入っているものがほとんどです。
取引の当事者にしてみれば、固定資産税の精算のつもりですが、税務は固定資産税の支払いとは考えません。固定資産税の納税義務者(納めなければならない人)はその年の1月1日の所有者と定められています。年の途中で不動産の売買等で所有者が移動したとしても、その年の固定資産税の納税義務者は1月1日の所有者であって、納税義務も移動するものではありません。つまり買主には固定資産税を納めなければならない義務はない、ということになります。
◆固定資産税の精算は売買代金の一部
よって当事者間で所有期間に対応する分の固定資産税をお互いに精算したとしても、買主に固定資産税の納税義務があるわけではないので、それは固定資産税の精算ではなく(つまり租税公課としての取り扱いではなく)、不動産の売買に伴う代金の一部という扱いになり、税務上の取り扱いは面倒です。
◆土地付店舗を売却した場合
7月1日に、土地7,000万・店舗3,000万円合計1億円で土地付店舗を売却した場合、店舗には消費税がかかっていますから、消費税を除くと店舗の売却価格は、2,857万円となります。そして土地60万円建物30万円の固定資産税を期間按分で1/2ずつ負担した場合、買主の負担した固定資産税は、売却価格に加算されますから、土地の売却価格は、7,030万円となりますが、建物の売却価格は消費税を除くと2,871万円となります。計算は以下となります。
建物価格2,857万円+買主固定資産税負担分15万円÷1.05(消費税を除く)≒2,871万円
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印紙税について調べてビックリ!印紙税は、国の歳入予算の2.5%を占める税金でした。金額ベースでいうと、平成23年度の印紙税歳入予算は1兆570億円です!!
そもそも印紙税とは、一般的には“領収書に貼るもの”という理解だと思いますが、日常の経済取引に関連して作成された各種の文書うち、課税物件表に掲げるものに対して課税される税金です。
課税物件表に掲げられているものは、契約書、受取書、有価証券、手形、預金通帳などの文章で、作成された文章がこれら課税物件表に掲げられている課税文書に該当する場合にだけ課税されます。
ここでは、業務上判断に迷う請負契約と委任契約について説明します。
◆請負契約か委任契約か
平成元年、消費税の導入とともに「委任状又は委任に関する契約書」は、課税物件表から削除され、課税廃止になりました。
この改正を受け、現在においても、業務に関する事務を他に委任する契約書が、課税廃止となった「委任に関する契約書」なのか、それとも引き続き課税文書とされる「請負に関する契約書」なのか、その判断はかなり難しい面があります。
もっとも、「請負」、「委任」というのはどのような契約形態のものを指称するのかという点については、もっぱら、民法等の私法上の概念に準拠して解釈されます。
◆民法における請負契約及び委任契約
請負契約の特徴は、有償が前提で、仕事の結果に対して報酬を支払い、仕事の内容に不備(瑕疵)があれば、当然に請負人は補修義務及び賠償責任を負います。
一方、委任契約の特徴は、有償の場合も無償の場合もあり、受任者は、委任の本旨に従って、善良な管理者の注意をもって委任事務を処理しなければなりませんが、仕事の結果に対する責任を負いません。
◆請負と委任の区分の判断基準
以上、民法における「請負」と「委任」の法的効果の特徴点を挙げてみました。この特徴点から「業務に関する事務を他に委任する契約書」が「請負」か「委任」かを区分する場合の一つの判断基準になるとして、次のような考え方が示されています。
・「請負」
仕事の内容が特定していて、報酬の支払いが仕事の結果と対応関係があるもの。
・「委任」
仕事の内容が相手方の処理に委ねられていて、仕事の成否の有無にかかわらず報酬が支払われるもの。
例えば、データーの事務処理の委託を内容とする契約書であっても、データーの処理量と報酬の支払いが対応関係にあるものは「請負」に該当することになる、という判断です。
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