今回は相続人(法定相続人)・被相続人について説明します。
被相続人 …………… 故人
相続人 ……………… 遺産などを引き継ぐ人。法律では、相続する権利を有する人を
「法定相続人」といいます。
法定相続人になれる人は、配偶者(夫または妻)、子(直系卑
属)、父母(直系尊属)、兄弟姉妹の4種類の立場の人です。も
し、これら以外の人に遺産を残したいのであれば、遺言書を作
成する必要があります。
法定相続人と法定相続分
遺言がある場合 ……… 原則として遺言で指定されたとおりに分割されます。
遺言による相続では、特定の法定相続人に手厚く分配す
るとや、法定相続人以外の人にも相続させることが可能で
す。
ただし、兄弟姉妹以外の法定相続人には、最低限の相続分が
認められます。
それを「遺留分」といいます。
遺言がない場合 ……… 相続人全員で遺産分割の協議を行ないます。相続人の中で
誰に、どれだけ分けるかは自由です。相続人になれる人の
範囲と順位は下記のとおりです。配偶者は常に相続人にな
ります。
また、子・親・兄弟などの血族相続人には優先順位が付け
られており、第一優先順位に該当すれば後順位の血族は法
定相続人にはなれません。
<法定相続分>
第1順位 子どもがいる場合 配偶者1/2 子1/2
第2順位 子がいない場合 配偶者2/3 親・祖父母等1/3
第3順位 子も親等もいない場合 配偶者3/4 兄弟姉妹1/4
相続人を確定するには、すべての相続人の戸籍謄本が必要になります。被相続人(故人)については、出生から死亡までの戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍などが必要になります。
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平成23年度の税制改正は、2次改正で復興増税とセットで昨年11月30日に成立、同年12月2日公布・施行となりました。そして、同年12月10日には「平成24年度税制改正大綱(23年度税制改正の積み残しの一部を盛り込み)」が閣議決定されました。
◆平成23年度の第2次税制改正
国税通則法においては、当初案にあった納税者権利憲章の策定等の一部は見送られ、以下主な改正が行われました。
(1)更正の請求期間の延長と職権による更正期間の延長
①更正の請求期間は(改正前1年)5年に延長、②法人税の純損失等の金額に係る更正の請求(改正前1年)は9年に延長、③贈与税の更正の請求(改正前1年)は6年に延長されました。
一方、職権更正の期間もこれと平仄を合わせ、所得税、相続税、消費税は5年、法人税の純損失等も9年に延長されます。
改正は、原則、公布日12月2日以後に法定申告期限が到来するものについて適用されますが、法人税の「9年」は、平成24年3月31日まで「7年」となります。
(2)更正の請求範囲の拡大
「当初申告要件」については、インセンティブなものや有利・不利の操作可能なものを除き、廃止となりました。例えば、純損失の繰越控除、受取配当等の益金不算入、配偶者に対する相続税の軽減など。
また、当初申告に記載された金額を限度とする「控除額の制限」がある措置についても、更正の請求により正当額まで当初申告の控除額を増額させることができるようになりました。例えば、青色申告特別控除、所得税額控除、試験研究費の所得税額及び法人税額の特別控除など。
これら改正は、公布日12月2日以後に法定申告期限が到来する国税について適用されます。
(3)その他
税務調査等の手続きに関しても、その明確化の観点から書面化などの幾つかの改正がなされています。
◆平成24年税制改正大綱
大綱では、個別改正案はなく、検討事項の一つとして「共通番号制度」が挙げられています。この共通番号制の導入は。「社会保障と税制抜本改革」の素案にあるように消費税10%引き上げによる「給付付き税額控除」の実施の観点からその導入が不可欠かと思われます。
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23年度第2次改正と24年度大綱
相続・贈与税の平成23年度税制改正の当初案は、昨年6月に分離した「経済社会の構造の変化に対応した税制の構築」、いわゆる税制構築法案、同年10月28日の修正後の同案のいずれにも含まれていましたが、同年11月10日の三党協議で、突如、その全てと言っていいほどの法案がボツになりました。
◆平成23年度第2次税制改正はゼロ
それ故、平成23年度税制改正の2次改正は、東日本大震災復興増税とセットで昨年11月30日成立、同年12月2日公布となりましたが、①相続税の最高税率の引き上げ、②相続税の基礎控除額の圧縮、③生命保険金の非課税制度の見直し、④未成年者・障害者控除の拡充、⑤贈与税の税率構造の緩和、⑥相続時精算課税の拡充は、すべて先送りされることになりました。
◆平成24年度税制改正大綱(復興支援除く)
先送りされた改正案は、24年度の大綱に盛り込まれることもなく、結局、昨年末に明らかにされた税制抜本改革の素案に盛り込まれています。
大綱の改正項目の多くは、制度の拡充と延長で、主な改正は次の2つです。
(1)相続税の連帯納付義務
連帯納付義務については、次の場合には解除することとしています。
①申告期限等から5年を経過した場合(ただし、5年を経過した時点で連帯納付義務の履行を求められているものは解除できません。)
②納税義務者が延納又は納税猶予の適用を受けた場合
上記改正は、平成24年4月1日以後に申告期限等が到来する相続税について適用されます。但し、同日において滞納となっている相続税についても、上記の改正と同様の扱いとなっています。
(2)住宅取得等資金贈与の非課税措置
直系尊属からの住宅取得等資金の贈与は、適用期限を3年延長、取得する住宅(床面積240㎡以下)の内容により、年度ごとに3段階の非課税枠を定めています。
①省エネ・耐久性を備えた良質な住宅
平成24年贈与:1,500万円、25年贈与:1,000万円、26年贈与:1,000万円
②上記①以外の住宅
平成24年贈与:1,000万円、25年贈与:700万円、26年贈与:500万円
上記の改正は、平成24年1月1日以後の贈与から適用です。
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23年度第2次改正と24年度大綱
法人税に関する平成23年度の税制改正は、当初案の殆どが2次改正で東日本大震災復興増税とセットで昨年11月30日成立、同年12月2日公布となりました。
◆平成23年度第2次税制改正
主な改正は、次のとおりです。
(1)法人税率の引下げ
法人税率が次のように引き下げられました。
①普通法人の基本税率(改正前30%)は25.5%
②中小法人等(大法人の100%子会社等を除く)の年800万円以下の所得に対する軽減税率(改正前22%)は19%
③上記②における法人の時限措置による軽減税率(改正前18%)は15%
なお、時限措置は、平成24年4月1日から平成27年3月31日までの間に開始する3事業年度です。
(2)欠損金の繰越控除制限と期間延長
欠損金(青色及び災害損失欠損金)の控除限度額は、その控除前の所得金額の80%とされました。しかし、中小法人等(大法人100%子法人等を除く)については、現行の100%控除の規定が存置されています。
また、欠損金の繰越控除の期間ですが、帳簿等の保存を前提にその期間(改正前7年)が9年とされました。
なお、控除期間の延長は、平成20年4月1日以後に終了した事業年度において生じた欠損金額について適用されます。
(3)貸倒引当金の改正
引当対象法人が限定されましたが、その対象に中小法人等(大法人の100%子会社等を除く)が含まれていますので、従前と何ら変わりません。
(4)減価償却資産の償却率の見直し
平成24年4月1日以後に取得される償却資産については、定率法の償却(改正前250%)が200%に縮減されました。
(5)一般寄附金の損金算入限度額の縮減
損金算入限度額について、資本金等の額の0.25%相当額と所得金額の2.5%相当額との合計額の4分の1(改正前2分の1)に引き下げられました。
上記の改正は、原則、平成24年4月1日以後に開始する事業年度から適用されます。
◆平成24年度税制改正大綱
大綱では、変更、創設された規定はあまりなく、多くが適用期限の延長(試験研究費の税額控除、交際費課税、投資促進税制、少額減価償却資産の取得価額の損金算入等)に留まっています。
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ふるさと納税2012年01月23日(月)
『バガボンド』『スラムダンク』などの作者として知られる漫画家の井上雄彦さんが、鹿児島県への「ふるさと納税」により、国から紺綬褒章を受章しました。
政府が授与を決める褒章の種類には、紅綬褒章、緑綬褒章、黄綬褒章、紫綬褒章、藍綬褒章、そして紺綬褒章があります。紺綬褒章は「公益のため私財を寄付し功績顕著なる者」に与えられる栄典です。公的機関や公的法人に対して、個人で500万円(団体の場合は1000万円)以上の寄付を行った人が推薦を受け、国による審査のうえで授与されるものです。
井上さんは鹿児島県の大口市(現在の伊佐市)出身。2008~10年度に、県が募集する「かごしま応援寄付金」として寄付を行いました。このうち、2010年に行った寄付が要件に該当しました。井上さんは2008年の寄付の際「子供時代を鹿児島で過ごしたことが自分の土台を作るうえでとても良かったといつも思っています。鹿児島県に納税をすることで、そのお金が鹿児島のためになるよういかしていただけるなら幸いです」とメッセージを寄せています。
2008年にスタートした「ふるさと納税」は、そのネーミングから納税先を自分で選べる制度といった印象を受けますが、制度上は寄附控除の大幅な拡充です。納税ではなく寄付のため、褒章の対象にもなるというわけです。地方自治体への寄附金のうち2千円を超える金額が、所得税では所得控除、個人住民税では税額控除されます。税額控除の計算式は、2千円の自己負担額をのぞき寄付金がほぼ全額返ってくるよう設計されているため、実質的に納税先を選択した形となります。
ただし、控除額には上限があります。個人住民税の特例控除額の上限は、個人住民税所得割額の10%。所得割の税率は一律10%のため、上限は課税所得の1%です。紺綬褒章の要件にあたる500万円を寄付した場合、所得税の税率を40%とすると所得税額のマイナスは約200万円、個人住民税の基本控除は約50万円のため、約250万円を特例控除できれば、自己負担額を除くほぼ全額の控除を受けられることになります。課税所得の1%が250万円ということは、つまり寄付者に概ね2億5千万円を超える所得があればほぼ全額が返ってくることになります。
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