相続シリーズ③~遺言書の種類~2012年07月27日(金)
今回は遺言書の種類をQ&Aにまとめました。
Q 遺言にはどんな種類があるのですか?
A 遺言書の種類には「普通方式」と「特別方式」の7種類があります。
自筆証書遺言(民法968条)
普通方式 公正証書遺言(民法969条)
秘密証書遺言(民法970条)
遺言の方式
死亡の危急に迫った者の遺言
特別方式 遭難した船の中での遺言
伝染病隔離の遺言
船の中での遺言
Q 遺言書の違いを教えて下さい。
A 特別方式は本当に特別なものです。今回は一般的に作成されている自筆証書遺言と公正証書遺言の2つを説明します。
|
自筆証書遺言 |
公正証書遺言 |
証人・立会人 |
不要 |
2人以上必要 |
ワープロ |
不可(全文を自分で書く) |
可 |
日付 |
年月日まで記入 |
年月日まで記入 |
署名・押印 |
本人のみ必要 |
本人・証人・公証人 |
印鑑 |
実印・認印・拇印のいずれかで可 |
本人実印(印鑑証明書持参)・証人認印 |
保管方法 |
本人による(自宅金庫・銀行の貸金庫・信頼できる人に預ける等) |
原本は公証役場 正本は本人 |
メリット |
①自分で作成できる ②費用がかからない (後で検認の費用がかかる) ③気軽に書き直しできる (最新日付が有効) ④内容を秘密にできる |
①公証人が作成するので遺言内容や様式不備による無効の心配がない ②紛失・変造・隠蔽の恐れがない ③遺言の効力をめぐる争いが起こる可能性は極めて低い ④死後の検認手続が不要であり、直ちに遺言書の内容を実行することができる。 |
デメリット |
○民法のルールを守って書かなければ遺言自体が無効になる ○紛失・変造・隠蔽の可能性がある ○保管が難しく死後見つからない恐れがある ○死後、家庭裁判所での検認手続が必要であり、手続きが完了するまで(2~3か月)遺言書の内容を実行できない |
○若干の手間と費用がかかる ○手軽に書き直しができない
|