23年税制改正の雑感~相続税・贈与税~2011年01月07日(金)
今回の改正では主に、
(相続税)
①基礎控除の引き下げ(4割減)
「5,000万+1,000万×法定相続人数」→「3,000万+600万×法定相続人数」
②死亡保険金の非課税枠の縮減
「500万×法定相続人数」→「500万×未成年者、障害者、相続直前生計一のいずれかに該当する法定相続人数」
(贈与税)
①暦年課税の税率構造の緩和
例:20歳以上の子が親から年間1,110万円贈与を受けた場合、
贈与税「(1,110万-110万)×40%-125万=275万」→「(1110万-110万)×30%-90万=210万」
②相続時精算課税制度の範囲拡大
贈与者「65歳以上」→「60歳以上」
受贈者「20歳以上の子」→「20歳以上の子・孫」
基礎控除の引き下げ(相続人3人の場合8,000万→4,800万)、死亡保険金の非課税枠縮減(相続人が同居妻と生計別成人2人の場合、1,500万→500万)により、相続税申告の対象となる人は結構増えてくるのではないでしょうか。税額は少額でも、申告手続きよる精神的負担、事務負担は大きくなると思います。
相続は、70、80代の被相続人から50代の相続人に相続するケースが大方を占めており、高年層で資産を回しているのが現状のようです。その資産を若年層に移転し消費拡大を図るために、相続税の課税ベースを広げ、贈与税の税率緩和、範囲拡大し、贈与を促進しているようですが、効果はいかほどのものでしょうね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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